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奥歯のインプラントは必要?メリット・デメリットと疑問点も紹介

2025.10.17

奥歯を失ったままにしておくと、見た目の問題だけでなく、噛み合わせや発音、全身の健康にまで影響を及ぼすことがあります。

そのため、奥歯の欠損に対する治療としてインプラントを検討する方も少なくありません。

しかし、奥歯のインプラント治療は難易度が高いと言われ、専門的な知識と適切な判断が求められます。

この記事では、奥歯のインプラント治療が難しい理由、インプラントのメリット・デメリット、そしてよくある疑問や注意点までわかりやすく解説します。

奥歯のインプラント治療を検討している方や不安を感じている方にとって、参考になる情報をお届けします。

奥歯が抜けたままになると起こること

奥歯が抜けたままになると起こること

奥歯が抜けたとしても「奥歯は目立たないから」「1本くらいなら支障がない」と放置しているとトラブルが起こりやすくなります。

特に、40代以降は歯周病や加齢による骨の変化が進みやすくなるため、注意が必要です。

ここでは、奥歯の位置や役割、抜けたままだと起こりやすいトラブルについて解説します。

奥歯とはどこから?

一般的に奥歯とは、前歯から数えて4番目以降にあたる小臼歯・大臼歯を指します。

上下左右それぞれにあり、親知らずを除けば合計16本あります。

前歯より目立たない場所に位置していますが、非常に重要な役割を持っているのが奥歯です。

奥歯の役割

奥歯には、次のような役割があります。

  • 食べものをすりつぶす:奥歯は食べ物をしっかり咀嚼して消化吸収を助ける
  • 噛み合わせのバランスを保つ:奥歯や上下の歯の位置関係を安定させ、全体の噛み合わせを支える
  • 発音や表情のサポート:奥歯がないと発音が不明瞭になったり、口元の筋肉が衰え、表情や輪郭にも影響
  • 脳への刺激:噛むことで脳が刺激され、記憶力や集中力に影響

特に6、7番目の第一大臼歯、第二大臼歯は、ものを噛む際に大きな力がかかる重要な歯です。

奥歯が抜けたままだとどうなる?

奥歯を失ったまま放置すると、見た目の変化以上に深刻な問題が起こることがあります。

奥歯が抜けたままだと起こる問題を以下に表でまとめます。

噛む力が低下する噛む力が低下し、食べ物をうまく咀嚼できなくなる
消化吸収に悪影響よく噛めないため消化が悪くなり、栄養吸収にも影響が出る
他の歯が動く・歯並びが崩れる抜けたスペースに向かって隣や上下の歯が傾いたり伸びたりして、歯並びや噛み合わせが悪化
発音がしにくくなる空気が漏れてサ行やラ行が発音しにくくなる
顎の骨が痩せる噛む刺激が伝わらなくなり、顎の骨が吸収されて痩せる
顔の輪郭が変わる骨の吸収や筋力の低下で頬がこけて老けて見えやすくなる
健康な歯に負担がかかる残った歯に過剰な負担がかかり、虫歯・歯周病・歯根破折リスクが高まる
噛み合わせが崩れる上下の歯のバランスが悪くなり、肩こり・頭痛・姿勢不良など全身の不調につながる
舌で触る癖がつく舌で空いたスペースを触る癖がつき、歯列に余計な圧がかかって歯並びに悪影響
治療が難しくなる時間が経つほど噛み合わせや骨の状態が悪化し、インプラントやブリッジの治療が難しくなることもある

奥歯の喪失は「1本くらいなら」と軽視されがちですが、長期的には口腔全体、そして身体の健康にも影響を及ぼすため、早めの対応が大切です。

奥歯のインプラントは難しいと言われる理由や症例

奥歯のインプラントは難しいと言われる理由や症例

ここでは、奥歯にインプラントが難しいと言われる主な理由と、具体的な症例について解説します。

噛み合わせの調整が難しい

奥歯は非常に強い力がかかる部位で、7番の第二大臼歯には60kgの力が加わるとも言われています。

このため、噛み合わせのバランスが少しでも乱れると、顎関節への負担や上部構造・インプラント体(人工歯根)の破損などのリスクが高まります

特に左右や上下の噛み合わせのバランスの微調整が求められ、非常に繊細な設計と調整が必要です。

スペースが不足しやすい

口腔内は奥にいくほど開口量が小さくなり、インプラント治療に必要なスペースを確保しにくくなります。

最奥の第二大臼歯では、手術器具を操作するための物理的な空間が確保できず、治療自体が困難になるケースもあります。

上の奥歯の難易度が高い

上顎の奥歯の上方には『上顎洞』という空洞があり、骨の厚みが不足しているケースが多く見られます。

そのままインプラントを埋め込むと、インプラントが上顎洞に突き抜けてしまい、安定しないリスクがあります

そのような場合には、ソケットリフトやサイナスリフトと呼ばれる骨造成術を併用して、十分な骨の高さを確保する必要があります。

第二大臼歯は角化歯肉が少ない

インプラントの周囲には、炎症に強い角化歯肉が少なくとも2mm以上必要とされていますが、第二大臼歯の周囲では、歯肉の幅が十分でないことが多くあります。

角化歯肉が不足していると、インプラント周囲炎のリスクが高まるため、歯肉移植などの追加処置が必要になることがあります。

奥歯は開口量が限られるため、歯肉移植自体も技術的に難易度が上がります。

下歯槽神経に干渉しないようにする必要がある

下顎の第二小臼歯から第二大臼歯付近には、下歯槽神経と呼ばれる重要な神経が走行しています。

インプラントを埋め込む際にこの神経を損傷すると、下唇や顎先にしびれや麻痺が出るかもしれません。

そのため、治療前にはCTなどで神経の正確な位置を把握し、干渉しないように慎重な設計と埋入が求められます。

奥歯をインプラントにするメリット・デメリット

奥歯をインプラントにするメリット・デメリット

奥歯をインプラントにするメリットは、奥歯本来の役割をそのまま維持できる点などがあります。

一方で、インプラント特有の感染症リスクなどのデメリットも存在します。

ここでは、奥歯をインプラントにする際のメリットとデメリットをわかりやすくご紹介します。

奥歯をインプラントにするメリット

奥歯をインプラントにするメリットは以下のとおりです。

メリット内容
噛み合わせのバランスがよいインプラントはしっかり固定されるため、噛み合わせの違和感が少なく、他の歯に悪影響を与えるリスクが少ない
自然な噛み心地を実現できる顎の骨にしっかり固定されており、力強く噛めるため、食材の味や食感を楽しめる
骨が痩せるのを防げる噛む力が骨に伝わることで顎の骨が刺激を受け、骨の退縮を防げる
きれいな発音が保てるずれたり浮いたりしないため、空気漏れが少なく発音が安定しやすい
痛みや違和感が少ない器具がずれにくく、歯肉との隙間も生じにくいため、快適な装着感が得られる
他の歯を傷つけないブリッジのように隣接する歯を削る必要がないため、健康な歯を守れる
見た目が自然で審美性が高いセラミックやジルコニアを使用することで天然歯に近い見た目が得られる

奥歯が抜けた場合、ブリッジや入れ歯などの選択肢もありますが、インプラントにすることでこれらのメリットがあります。

ただし、インプラントが適用できるかどうかは歯科医師が状態や希望を聞きながら判断します。

奥歯をインプラントにするデメリット

奥歯をインプラントにするデメリットは以下のとおりです。

デメリット内容
インプラント周囲炎に注意が必要インプラントと歯肉の間に細菌が入り炎症を起こす可能性があり、メインテナンスと口腔ケアが重要
骨量が少ないと治療が難しい顎の骨が不足していると、骨造成などの追加処置が必要になる
治療期間が長い治療に3か月~1年程度かかる場合があり、他の治療法に比べて期間が長くなる傾向がある
治療費が高額原則として健康保険が適用されない自由診療となり、1本あたり30~50万円と高額になる

インプラントは自由診療のため、歯科医院によって費用設定が異なります。

インプラント手術には高い技術が求められますが、症例数が多く実績豊富な信頼できる歯科医院を選ぶことでデメリットを軽減できる可能性があります。

奥歯をインプラントにする際の疑問点

奥歯をインプラントにする際の疑問点

奥歯のインプラントを検討し始めた際、さまざまな疑問や不安が出てくることも少なくありません。

特に奥歯は食事のたびに大きな力がかかるため、治療計画や注意点も前歯とは異なることもあります。

ここでは、奥歯のインプラント治療を検討している方が知っておきたいポイントについて、よくある質問に沿ってわかりやすく解説します。

奥歯のインプラント治療の費用はどのくらい?

奥歯のインプラント治療にかかる費用は、1本あたり30~40万円が一般的な目安です。

この費用には、手術費用、インプラント体(人工歯根)、アバットメント、人工歯が含まれます。

歯科医院によっては、検査代や治療後のメインテナンス代が含まれてない場合もあるため、事前に費用の総額を確認しましょう。

なお、インプラントは基本的に保険適用外の自由診療であるため、費用は医療機関によって異なります。

また、奥歯は噛む力が強くかかるため、耐久性に優れた素材を使用することが多く、費用に影響することがあります。

医療費控除の対象になる場合がありますが、生命保険や医療保険ではカバーされないケースが多いため、事前にご自身の保険内容を確認することをおすすめします。

奥歯のインプラント治療は痛い?

インプラント治療は外科手術ですが、手術中は局所麻酔を行うため、治療中に痛みを感じることはほとんどありません

さらに、インプラントを埋め込む顎の骨自体には痛みを感じる神経がないため、術中の不快感は抑えられるでしょう。

術後に関しては、歯肉や骨膜など、神経のある部分に手術の影響が及ぶため、麻酔が切れた後で痛みや腫れを感じる場合があります。

これらの痛みや腫れは通常1週間程度で自然に治まり、鎮痛薬でコントロールできることがほとんどです。

不安がある方は、事前に医師と相談し、自分の体調や治療内容に応じた説明をしっかりと受けておきましょう。

治療前や治療後に気を付けることは?

奥歯のインプラント治療を成功させるには、以下のような治療前後の対策が大切です。

治療前の注意点・CT検査で詳細な診断を受ける

・歯科医師の実績を確認する

・リスク因子の管理

治療後の注意点・メインテナンスを継続する

・異常があればすぐに受診する

治療前には、骨の高さや副鼻腔までの距離を考慮する必要があるため、詳細な検査を受けましょう。

また、慢性疾患がある場合には、治療への影響が出る可能性があります。

症例数や施術の実績が豊富な歯科医院で、信頼できる歯科医院を選ぶことが大切です。

まとめ

奥歯のインプラント治療は、見た目の自然さだけでなく、しっかりと噛める機能性や周囲の歯への負担軽減といった多くのメリットがあります。

一方で、費用や治療期間、感染リスクなどのデメリットもあるため、インプラント治療を行う歯科医院を選ぶ際には、慎重な判断が大切です。

辻岡歯科医院』では、患者様の状態や希望を聞きながら一人ひとりに合った治療法を提案します。

費用に関しても、事前に治療中だけでなく治療後のメインテナンスなどにもかかる総額を提示します。

わからないことがある場合には、インプラント専門の医師が無料で相談に乗る相談会を毎日開催していますので、ぜひご相談ください。

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