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インプラントの治療期間はどのくらいかかる?各ステップの目安と長引くケース

2026.07.31

インプラント治療は、手術自体は1〜2時間で終わりますが、治療全体では半年〜1年ほどを見ておく必要があります。期間の大半を占めるのは、あごの骨とインプラントが結合するのを待つ治癒期間で、通院回数自体は多くありません。

この記事では、治療の流れと各ステップの所要期間、期間を左右する骨の状態、そして期間を短くできるかどうかを整理します。

インプラント治療の全体像と期間の目安

インプラント治療の全体像と期間の目安

インプラント治療は大きく4つのステップに分かれます。検査と治療計画の立案、インプラント体(人工歯根)の埋入手術、骨との結合を待つ治癒期間、そして最終的な人工歯の装着です。この全体の流れを先に把握しておくと、「今どの段階にいるか」がわかりやすくなります。

各ステップにかかる期間の目安

ステップ内容期間の目安通院回数の目安
検査・治療計画レントゲン・CT撮影、口腔内の診査、治療計画の説明2日〜2週間程度2〜3回
インプラント埋入手術顎の骨にインプラント体を埋め込む1日(手術自体は1〜2時間程度)1回
治癒期間(骨との結合)インプラント体と骨がしっかり結合するのを待つ下顎:2〜3ヶ月、上顎:4〜6ヶ月経過観察で数回
人工歯の装着土台(アバットメント)と人工歯のセット数日〜2週間程度2〜3回

全体を通すと、下顎で3〜6ヶ月程度、上顎で6ヶ月〜約1年程度が一般的な治療期間です。手術自体は1日で終わりますが、骨との結合を待つ治癒期間が全体の大部分を占めます。

なぜ上顎は下顎より時間がかかるのか

上顎と下顎で治療期間に差が出る理由は、骨の質の違いです。下顎の骨は緻密で硬いため、インプラント体がしっかり固定されやすく、骨との結合も比較的早く進みます。一方、上顎の骨は内部がスポンジのように粗い構造をしているため、結合に時間がかかります。

さらに上顎は鼻の横にある上顎洞(副鼻腔の一つ)に近いため、骨の厚みが十分でないケースも多く、これが治療期間を延ばす一因になります。

この差は患者様の体質や努力では変えられない、骨そのものの構造上の問題です。上顎のインプラントを検討されている方は、下顎より期間がかかることを最初から計画に入れておくと安心です。

インプラントの期間を左右する3つの要素

インプラントの期間を左右する3つの要素

同じインプラント治療でも、3ヶ月で終わる方と1年近くかかる方がいます。この違いを生む要素は大きく3つあります。

要素1:手術の方法(1回法か2回法か)

インプラントの手術には1回法と2回法があります。

方法1回法2回法
特徴手術1回でインプラント体と土台を同時に設置1回目に埋入、骨結合後に2回目で土台を設置
期間の目安3〜6ヶ月程度6ヶ月〜約1年
向いているケース骨の量・質が十分にある方骨の量が少ない方、感染リスクを抑えたい場合

1回法は手術が1回で済むため体への負担が軽く、期間も短くなります。ただし、骨の状態が良好であることが前提です。2回法は手術が2回になる分期間は長くなりますが、インプラント体を歯ぐきの中に完全に覆って治癒させるため感染リスクが低く、骨の量が少ないケースにも対応できます。

どちらの方法が適しているかは骨の状態や全身の健康状態によって異なるため、CT撮影による精密検査を行ったうえで判断します。

要素2:使用するインプラントの種類

インプラント体の表面処理技術によって、骨との結合スピードが変わります。当院で採用しているストローマン社製インプラントは、表面に超親水性の加工(SLActive)が施されており、骨の状態が良好な場合は治癒期間が短くなることが期待できるのが特徴です。一般的なインプラントでは骨結合に3〜6ヶ月かかるところ、ストローマンのSLActiveインプラントでは条件が整えば数週間程度まで短縮するケースもあります。

ただし、この短縮期間はあくまで骨の状態が良好な場合の目安です。骨造成を併用するケースでは短縮効果が限定的になるため、「ストローマンを使えば必ず早く終わる」というわけではありません。

参考:インプラント治療の流れストローマンパートナーズ

要素3:事前に治療が必要な口腔内の状態

インプラント手術の前に、虫歯や歯周病がある場合はそちらの治療を先に済ませる必要があります。特に歯周病は、治療せずにインプラントを埋入すると、インプラント周囲にも炎症が広がるリスクがあるため、事前の治療は省けません。

歯周病の程度によっては治療に数ヶ月かかることもあり、この事前治療の期間がインプラント全体のスケジュールを大きく左右します。「インプラントを入れたい」と思ったタイミングで、まず口腔内の状態を診てもらうことが、結果的に全体の期間を縮めることにつながります。

骨が足りない場合は治療期間が延びる

骨が足りない場合は治療期間が延びる

インプラントを支えるには十分な骨の厚みと高さが必要です。歯を失ってから時間が経っていたり、歯周病で骨が吸収されていたりすると、そのままではインプラントを埋入できないことがあります。その場合、骨を増やす処置(骨造成)を行います。

骨を増やす処置が必要なとき

骨造成のなかで広く行われているのがGBR法です。骨が足りない部分に骨補填材を入れ、専用の膜(メンブレン)で覆って骨の再生を促します。

GBR法には2つの進め方があります。

方法同時法段階法
内容インプラント埋入と同時にGBRを行う先にGBRで骨を作り、骨が安定してからインプラントを埋入
追加される期間の目安追加の待機期間なし(骨結合の3〜6ヶ月に含まれる)GBRの骨安定に約6ヶ月+埋入後の骨結合に2〜3ヶ月

同時法が適用できれば追加の待機期間が発生しないため、骨の不足が軽度であれば同時法を選択するのが一般的です。ただし、骨の吸収が大きい場合は段階法を選ばざるを得ず、全体で1年以上かかることもあります。

上の奥歯で骨が薄いとき

上顎の奥歯部分は上顎洞(副鼻腔)に近いため、骨の高さが不足するケースが少なくありません。この場合は上顎洞の底部を持ち上げて骨を補う処置が必要になります。骨の不足量によって術式が分かれ、不足が軽度であれば同時にインプラントを埋入できるソケットリフト(待機期間はインプラントの骨結合と同じ3〜6ヶ月程度)を選択します。

大きく持ち上げる必要がある場合はサイナスリフトを先に行い、骨が安定するまで6ヶ月以上待ってからインプラントを埋入します。

上顎奥歯のインプラントは、下顎や上顎前歯と比べて最も期間がかかりやすい部位です。上顎奥歯で骨造成が必要な場合は全体で1年以上かかることもあるため、早い段階で精密検査を受けておくことが期間短縮の第一歩になります。

治療中に歯がない期間はどうするか

治療中に歯がない期間はどうするか

インプラント治療では、埋入手術から最終的な人工歯が入るまでの間、歯がない状態が続くことを心配される方が多くいらっしゃいます。結論から言うと、仮歯や仮の入れ歯で対応するため、治療中も見た目と最低限の機能を保ちながら過ごせるのが一般的です。歯のない期間がどれくらい続くかは部位や治療方法で異なるので、カウンセリングで確認しておきましょう。

仮歯や仮の入れ歯で見た目と機能をカバーする

治療中の期間は、以下のような方法で歯がない部分を補います。

方法特徴適用される場面
接着タイプの仮歯隣の歯に接着剤で仮の歯を固定前歯など見た目が気になる部位
仮のブリッジ隣の歯に被せ物がある場合、それと連結して仮歯を作るもともとブリッジが入っていた部分
仮の入れ歯(仮義歯)取り外し式の仮の入れ歯複数の歯を同時に治療する場合

前歯のインプラントでは見た目の問題が大きいため、手術当日から仮歯を入れるケースもあります。ただし、仮歯にしっかり噛む力をかけるとインプラント体に負荷がかかり、骨との結合を妨げる可能性があります。仮歯はあくまで見た目と最低限の機能を保つためのものであり、硬いものを噛むことは治癒期間中は避けてください。

治癒期間中の食事と生活

手術直後は腫れや痛みが出ることがあり、一般的に1〜2週間程度で落ち着きます。この間は柔らかい食事を中心にし、手術した側では極力噛まないようにします。抜糸が済んだ後は通常の食事に戻せますが、仮歯の部分で硬いものを噛むことは引き続き控えてください。

生活面では、手術当日は激しい運動や飲酒、長時間の入浴は控えます。翌日以降は通常どおりの仕事や家事が可能です。「手術後は何日も休まなければならないのでは」と心配される方がいますが、ほとんどのケースでは翌日から日常生活に戻れます。

インプラントの期間に関するよくある質問

インプラントの期間に関するよくある質問

インプラント治療は通院回数がどのくらい必要ですか?

骨の状態が良く骨造成が不要な場合、手術から人工歯の装着まで5〜8回程度の通院が一般的です。ただし事前の検査や歯周病治療がある場合はそれに加えて数回の通院が必要になります。治癒期間中は1〜2ヶ月に1回の経過観察のみで、頻繁に通う必要はありません。

インプラント治療後のメンテナンスにはどのくらいの期間通いますか?

インプラントは入れたら終わりではなく、長く使い続けるために定期的なメンテナンスが必要です。一般的には3〜6ヶ月ごとにクリーニングと状態チェックを行います。天然の歯と違ってインプラントの周囲には歯根膜がないため、細菌感染への抵抗力が弱く、メンテナンスを怠るとインプラント周囲炎を起こすリスクがあります。

メンテナンスはインプラントを使い続ける限り継続するものとお考えください。

抜歯してすぐインプラントを入れることはできますか?

抜歯と同時にインプラントを埋入する「抜歯即時埋入」という方法があります。抜歯後の治癒を待つ期間(通常2〜6ヶ月)を省けるため、全体の治療期間を短縮できます。ただし、抜歯する歯の周囲に感染がなく、骨の状態が良好であることが条件です。

すべてのケースに適用できるわけではなく、CT撮影や口腔内の状態を確認して判断します。

まとめ

まとめ

インプラントの治療期間は、下顎で3〜6ヶ月、上顎で6ヶ月〜約1年が目安で、その大半は骨と結合するのを待つ期間です。骨造成が必要だとさらに数ヶ月延びるため、期間を左右する最大の要素は骨の状態です。

まずはCT撮影で骨の量と質を確認すれば、「自分はどのくらいかかるか」が具体的に見えてきます。辻岡歯科医院は、CTによる精密診断とストローマン社製インプラント、骨が足りないケースのGBR法まで対応し、お一人お一人の状態に合わせて期間と計画をご提案します。インプラントを検討中の方は、お気軽にご相談ください。

この記事の監修者

辻岡歯科医院

院長 辻岡敬志

地域に根差して40年の辻岡歯科医院では、皆様がご自身の歯でいつまでも楽しく食事ができ、すてきな笑顔で日々を送れるようサポートしています。インプラントをはじめ幅広い治療が可能なので、お口のお悩みはどのようなことでもご相談ください。一人ひとりに寄り添い、適切な治療計画をご提案し、人生のQOL(生活の質)の向上に貢献します。

■ 経歴

  • 1979年:城西歯科大学 卒業
  • 1979年:和歌山県立医科大学歯科口腔外科 入局
  • 1982年:辻岡歯科医院 開院

【インプラント治療に関する重要事項】

インプラント治療は公的医療保険が適用されない自由診療です。

  • 治療内容:顎の骨にチタン製の人工歯根(インプラント体)を埋入し、その上に人工の歯を装着する治療
  • 治療期間・回数:一般的に3〜10ヶ月程度。埋入手術・アバットメント装着・上部構造装着の3段階で進行(個人差あり)
  • 費用の目安:1本あたり30万〜50万円程度。骨造成が必要な場合は追加費用が発生します。詳しくはクリニックへお問い合わせください
  • リスク・副作用:術後の腫れ・出血・痛み・しびれ、インプラント周囲炎、上部構造の破損など

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