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歯のセラミック治療とは?種類ごとの特徴と費用、長持ちの目安

2026.08.10

セラミックは陶器と同じ素材を歯科用に加工したもので、天然の歯に近い色調と透明感を再現できます。ただし「セラミック」とひと口に言っても素材にはいくつかの種類があり、強度・見た目・費用がそれぞれ異なります。ご自身の歯の状態や治療する部位に合った素材を選ぶことが、長く快適に使うための出発点です。

歯科で使うセラミックとは

歯科で使うセラミックとは

セラミックは食器や工業製品にも使われる陶材(とうざい)の一種ですが、歯科用に改良された素材は天然の歯に近い透明感と硬さを持っています。

セラミックが歯科治療に使われる理由

歯科でセラミックが選ばれる最大の理由は、見た目だけでなく口の中の環境を長期間安定させやすい点にあります。セラミックの表面は非常に滑らかで、プラーク(歯垢)が付着しにくい性質を持っています。

銀歯の場合、時間が経つと表面に目に見えない傷がつき、そこに汚れがたまって被せ物の下で虫歯が再発するリスクが高まります。セラミックは経年劣化が起きにくいため、結果として「もう一度やり直す治療」を減らせます。

また、セラミックは金属を使わない素材なので、金属アレルギーの心配がありません。銀歯に含まれる金属成分が唾液で溶け出し、歯ぐきが黒ずむ「メタルタトゥー」という変色も起きません。見た目の問題だけでなく、体への負担が少ないことも選ばれている理由です。

保険の銀歯やプラスチックとの違い

保険診療では、銀歯(金銀パラジウム合金)やプラスチック(レジン)の詰め物・被せ物が使われます。費用を抑えられるのは保険診療の大きなメリットですが、素材としての特性に違いがあります。

項目セラミック銀歯(保険)レジン(保険)
見た目天然の歯に近い白さ・透明感銀色で目立つ白いが透明感は乏しい
汚れのつきにくさ表面が滑らかでつきにくい傷がつきやすく汚れがたまりやすいやや汚れがつきやすい
変色ほとんどしないしない(ただし歯ぐきが黒ずむことがある)経年で黄ばみやすい
金属アレルギーリスクなしリスクありリスクなし
耐久性の目安10〜15年程度5〜7年程度数年程度
費用自由診療(1本数万〜十数万円)保険適用(数千円)保険適用(数千円)

銀歯の寿命が5〜7年程度であるのに対し、セラミックは10〜15年以上使えるケースが多く、長い目で見ると再治療の回数が減る可能性があります。

ただし、セラミックは自由診療であるため1本あたりの費用は高くなります。「初期費用が高くても長く使いたい」か「今の費用を抑えたい」かで、どちらが合うかの判断が分かれるところです。

セラミックの種類と選び方

セラミックの種類と選び方

歯科で使われるセラミックにはいくつかの種類があり、それぞれ強度・見た目・費用が異なります。どの部位に使うかによって向き不向きがあるため、種類ごとの特徴を整理していきます。

オールセラミック

すべてがセラミックだけで作られた素材で、代表的な製品に「e.max(イーマックス)」があります。天然の歯に最も近い透明感と色調を再現でき、隣の歯と並んだときに違和感がほとんどありません。前歯のように見た目が重視される部位に向いています。

一方で、強い力がかかる奥歯に使うと割れるリスクがあるため、奥歯には別の素材を使用するケースもあります。費用の目安は1本あたり8万〜15万円程度です。

ジルコニア

人工ダイヤモンドの原料にもなるジルコニア(二酸化ジルコニウム)を使った素材で、セラミックの中で最も硬く、奥歯にも安心して使えるのが特徴です。かつては白さが強すぎて前歯には不自然になることがありましたが、近年は透明感のあるジルコニアが登場し、前歯にも使われるようになっています。費用の目安は1本あたり6万〜15万円程度で、オールセラミックと同等かやや抑えられるケースもあります。

メタルボンド

金属のフレームにセラミック(ポーセレン)を焼き付けた素材です。内側が金属なので強度が高く、奥歯やブリッジ(連結した被せ物)にも対応できます。ただし金属を使うため、光を通さず、オールセラミックやジルコニアほどの透明感は出ません。

歯ぐきとの境目が黒ずむことがあり、金属アレルギーのリスクも残ります。費用の目安は1本あたり8万〜15万円程度です。ジルコニアの進歩により、近年はメタルボンドを選ぶケースは減ってきています。

ハイブリッドセラミック

プラスチック(レジン)にセラミックの微粒子を混ぜた素材です。オールセラミックやジルコニアに比べると審美性・耐久性は劣りますが、費用を抑えられるのがメリットです。自由診療の場合、1本あたり4万〜8万円程度が目安です。

レジンの割合が含まれるぶん、経年での変色や摩耗はオールセラミック・ジルコニアより早く出やすい傾向があります。費用と見た目のバランスを取りたい方向けの選択肢です。

セラミック治療の費用を決める3つの要素

セラミック治療の費用を決める3つの要素

セラミック治療は自由診療のため、費用はクリニックによって異なります。ただし、費用を決めている要素は共通しています。

セラミック治療の費用は、主に「素材の種類」「治療する部位と本数」「クリニックの設備・技術料」の3つで決まります。

素材については先述したとおり、オールセラミックやジルコニアで1本あたり6万〜15万円程度が一般的な相場です。前歯1本だけの治療と奥歯を含む複数本の治療では、総額が大きく変わるため、「1本いくら」だけでなく「自分のケースでは何本必要か」を確認することが費用を把握する第一歩です。

なお、セラミックの被せ物を入れる前に虫歯治療や根の治療が必要な場合は、その費用が別途かかります。被せ物の費用だけを見て判断すると、実際の総額と差が出ることがあるため、カウンセリング時に治療全体の見積もりを出してもらうのが確実です。

セラミックの歯はどのくらい持つか

セラミックの歯はどのくらい持つか

セラミックの被せ物は一般的に10〜15年程度が寿命の目安です。ただし、素材よりも日々のケアのほうが寿命を大きく左右します。

素材別の寿命の目安

素材ごとの寿命の目安は以下のとおりです。

素材寿命の目安
オールセラミック10〜15年
ジルコニア15〜20年
メタルボンド10〜15年
ハイブリッドセラミック7〜10年
銀歯(保険)5〜7年

ジルコニアは素材の硬さが突出しているため、割れや欠けのリスクが低く、最も長持ちしやすい素材です。ただし、この数字はあくまで目安であり、個人の噛み合わせの状態やケアの習慣によって大きく前後します。

寿命を左右するのは素材よりもケア

セラミック自体は変色や劣化が起きにくい素材ですが、土台になっている自分の歯が虫歯になればセラミックの寿命も終わることになります。被せ物と歯の境目に汚れがたまると、そこから虫歯が進行し、被せ物を外してやり直す必要が出てきます。

日々のケアで意識したいのは、歯と被せ物の境目を丁寧に磨くことです。歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを併用すると、境目に入り込んだ汚れを取り除きやすくなります。

加えて、歯ぎしりや食いしばりの習慣がある方は、就寝時にナイトガード(マウスピース型の保護装置)を使うことでセラミックの割れを防げます。セラミックは硬い素材ですが、歯ぎしりのような持続的な力には弱いため、心当たりがある方は歯科医師に相談してみてください。

定期検診も寿命を延ばすうえで欠かせません。噛み合わせの変化や被せ物の状態を3〜6ヶ月ごとにチェックしてもらうことで、問題が小さいうちに対処できます。

セラミック治療にかかる回数と期間

セラミック治療にかかる回数と期間

セラミックの被せ物を入れるまでの基本的な流れは、次の3ステップです。

  • 1回目:カウンセリング・検査・歯を削って型取り
  • 2回目(1〜2週間後):仮歯を外してセラミックの被せ物を装着・噛み合わせ調整
  • 3回目(必要に応じて):装着後の経過確認

虫歯や歯の根の治療が必要な場合は、その治療が先になるため、全体で1〜2ヶ月程度かかることもあります。被せ物の製作期間は1〜2週間程度で、その間は仮歯で過ごすのが一般的です。

セラミック治療に関するよくある質問

セラミック治療に関するよくある質問

保険でできる「CAD/CAM冠」とセラミック治療は違うものですか?

異なる治療です。CAD/CAM冠は「コンピュータ制御の機械で削り出して作る保険適用の白い被せ物」の呼称で、素材はレジンを主体にセラミック粒子を混ぜたハイブリッド素材が使われます。

2024年6月の診療報酬改定でほぼすべての歯に保険適用が認められ、3割負担で1本あたり6,000〜8,000円程度(部位や使用材料により異なる)と費用は抑えられますが、自費のオールセラミックやジルコニアと比べるとレジンの割合が多いため、経年での変色や耐久性に差があります。

費用を優先するか、長期的な耐久性と審美性を優先するかで選ぶのが現実的な判断です。

セラミックの歯はホワイトニングで白くなりますか?

セラミックはホワイトニング薬剤では白くなりません。

ホワイトニングで色が変わるのは天然の歯だけです。そのため、ホワイトニングも考えている方は、先にホワイトニングで天然歯の白さを決めてから、その色に合わせてセラミックを製作する順番がおすすめです。

すでに入っているセラミックの色を変えたい場合は、作り直しが必要になります。

銀歯を全部セラミックに替えたほうがよいですか?

全部を一度に替える必要はありません。優先順位をつけるなら、笑ったときに見える前歯〜小臼歯(前から4〜5番目の歯)から検討するのが一般的です。奥歯の銀歯は見た目が気にならなければそのまま使い続け、寿命が来たタイミングでセラミックに切り替えるという方法もあります。

一度に何本も替えると費用が大きくなるため、歯科医師と相談しながら計画的に進めるのがおすすめです。

セラミック治療は医療費控除の対象になりますか?

セラミック治療は自由診療ですが、「治療目的」であれば医療費控除の対象になります。見た目を改善するためだけの治療は対象外ですが、虫歯の治療でセラミックの被せ物を入れる場合は治療目的に該当します。

年間の医療費が10万円(総所得金額等が200万円未満の方は総所得金額等の5%)を超えた分が控除対象となるため、治療費を支払ったときに領収書を必ず保管し、確定申告で控除を申請してください。

まとめ

まとめ

セラミック治療は、見た目の美しさに加えて、汚れのつきにくさや再治療リスクの低さという機能面のメリットを持っています。種類ごとに特徴が異なるため、「前歯の見た目を重視するならオールセラミック」「奥歯の強度を優先するならジルコニア」「費用と見た目のバランスを取りたいならハイブリッドセラミック」と、自分の優先順位に合わせて選ぶことが大切です。

どの歯にどの素材が合うかは、歯の状態や噛み合わせによって変わるため、まずはカウンセリングで自分のケースを診てもらうのが確実です。

辻岡歯科医院では、個人お一人お一人の歯の状態と生活習慣に合わせたセラミック治療をご提案しています。銀歯からの切り替えや、どの素材が自分に合うかのご相談もお受けしていますので、お気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者

辻岡歯科医院

院長 辻岡敬志

地域に根差して40年の辻岡歯科医院では、皆様がご自身の歯でいつまでも楽しく食事ができ、すてきな笑顔で日々を送れるようサポートしています。インプラントをはじめ幅広い治療が可能なので、お口のお悩みはどのようなことでもご相談ください。一人ひとりに寄り添い、適切な治療計画をご提案し、人生のQOL(生活の質)の向上に貢献します。

■ 経歴

  • 1979年:城西歯科大学 卒業
  • 1979年:和歌山県立医科大学歯科口腔外科 入局
  • 1982年:辻岡歯科医院 開院

【セラミック治療に関する重要事項】

セラミック治療は自由診療です。

  • 治療内容:セラミック素材を用いた詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)を歯に装着する治療
  • 治療期間・回数:通常2〜4回の通院で完了。虫歯治療や根管治療が必要な場合は1〜2ヶ月程度かかることがあります(個人差あり)
  • 費用の目安:1本あたり4万〜15万円程度(素材の種類・クリニックにより異なります)
  • リスク・副作用:歯を削る必要がある、セラミックが割れる・欠けることがある、治療後に一時的なしみ・痛みが出ることがある、噛み合わせの調整が必要になることがある

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