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インプラントがあってもMRI検査は受けられる?素材ごとの安全性と準備のポイント

2026.07.31

インプラント治療を受けた方が「MRI検査は大丈夫だろうか」と不安に感じるのは自然なことです。MRIは強い磁力を使う検査なので、「体の中に金属が入っているとまずいのでは」と思うのは当然の発想でしょう。結論から言えば、現在のチタン製インプラントであれば、ほとんどのケースでMRI検査を問題なく受けられます。

ただし「すべて安心」とは言い切れない例外もあるため、その見分け方と事前の備えを知っておくことが大切です。

インプラントがあってもMRI検査は受けられる

インプラントがあってもMRI検査は受けられる

MRIは「金属が入っていると受けられない」と聞いて心配される方が多いのですが、問題になる金属とそうでない金属があります。ポイントはインプラントの素材です。

なぜチタンはMRIに影響しないのか

金属は磁場に対する反応の仕方によって、大きく「強磁性体」と「非磁性体」に分けられます。鉄やニッケル、コバルトは強磁性体で、磁石に強く引きつけられます。一方、歯科インプラントに使われるチタンは「常磁性体」という非磁性体の一種で、磁場に対する反応がごくわずかです。チタン製のインプラントは通常のMRI検査ではほぼ問題になりません。

MRIが体内の金属を問題視するのは、主に強磁性体のケースです。強磁性体は強力な磁場に引き寄せられて動いたり、発熱したりするリスクがあります。一方、チタンは磁石にくっつかないため、MRI装置の磁場の中に入ってもインプラント体が動いたり、周囲の組織にダメージを与える心配はありません。

CT検査も問題なく受けられる

MRIだけでなくCT検査についても気にされる方がいますが、CTはX線を使う検査で磁力は関係ありません。チタン製インプラントはX線の吸収も少ないため、CT検査も安全に受けることができます。画像に若干の影が映り込むことはありますが、診断に支障が出るケースはほとんどありません。

MRI検査が難しくなるケース

MRI検査が難しくなるケース

チタン製のインプラント単体であれば問題ありませんが、インプラントに付随する構造物や、歯科以外の医療用インプラントの中には注意が必要なものがあります。

磁石つきの入れ歯(オーバーデンチャー)

インプラントの上に磁石で固定する入れ歯を使っているケースは、MRI検査で問題になることがあります。この磁石は鉄やネオジム磁石のような強磁性体が含まれているため、MRIの磁場によって磁石が発熱したり、画像に大きなノイズが出たりするおそれがあります。ただし、これはインプラント体そのものの問題ではなく、上に載せている磁石の問題です。

磁石を外せば検査を受けられるケースが大半なので、事前に歯科医院で取り外しが可能かどうか相談しておくとよいでしょう。

なお、すべてのオーバーデンチャーが磁石式というわけではありません。ボールアタッチメントやロケーターアタッチメントのように、磁石を使わない固定方式もあります。自分の入れ歯がどの方式かわからない場合は、治療を受けた歯科医院に確認してください。

歯科以外の医療用インプラント

「インプラント」という名前は歯科だけでなく、心臓ペースメーカー・人工内耳・脳動脈クリップなど体内に埋め込む医療機器全般に使われます。これらの中にはMRI検査を受けられないもの、または条件付きで受けられるものがあります。歯科のインプラントとは素材も構造もまったく異なるため、歯科インプラント以外の体内金属がある方はMRI担当医に必ず申告してください。

インプラントがMRI画像に与える影響

インプラントがMRI画像に与える影響

MRI検査そのものは安全でも、「画像がきちんと撮れるのか」を気にされる方も多いでしょう。

インプラント周辺で起きる画像のゆがみ(アーチファクト)

チタン製インプラントはMRI画像に大きな乱れを起こしませんが、金属が存在する以上、ごく周辺に画像のゆがみや暗い影が出る場合があります。これを「アーチファクト」と呼びます。アーチファクトが出たとしても、頭や膝など口から離れた部位の撮影であれば影響を受けません。

影響が出る可能性があるのは、インプラントのすぐ近く、たとえば顎の関節や舌、唾液腺など口周辺を撮影する場合に限られます。

アーチファクトを減らすためにできること

口周辺のMRI撮影が必要な場合でも、撮影条件を調整することでアーチファクトを軽減できることがあります。MRI担当の放射線技師はこうした金属アーチファクトへの対処に慣れているため、事前にインプラントの位置と本数を伝えておくことが、画像の質を保つうえで最も効果的です。

また、インプラントの上に被せているクラウン(上部構造)がセラミックではなく金属の場合は、歯科医院で一時的に外してもらうことで画像の乱れを減らせるケースもあります。

MRI検査を受ける前にやっておくこと

MRI検査を受ける前にやっておくこと

インプラントがある方がMRI検査を受ける際には、いくつか準備しておくとスムーズに進みます。

インプラントの素材と方式を歯科医院で確認する

MRI検査の問診票には「体内に金属が入っていますか」という項目があります。ここで正確に答えるために、自分のインプラントの素材(チタン・チタン合金など)と、固定方式(ネジ留め・セメント・磁石など)を治療先の歯科医院で事前に聞いておきましょう。

口頭の記憶だけでは不安がある場合は、歯科医院にインプラントの製品名やメーカーを記載した書面をもらっておくと安心です。検査当日にMRIの担当医や技師へそのまま見せることができます。

MRIの担当医にインプラントがあることを伝える

検査前の問診で「歯科インプラントが入っています」と伝えてください。チタン製であることがわかっていれば、多くの場合そのまま検査に進めます。もし素材がわからない場合や、問診票だけでは情報が伝わりにくい場合は、治療を受けた歯科医院から発行してもらった書面が役立ちます。

インプラントとMRI検査に関するよくある質問

インプラントとMRI検査に関するよくある質問

インプラントが複数本入っていてもMRI検査は受けられますか?

チタン製であれば本数は問題になりません。1本でも10本以上でも、チタンの磁気特性は変わらないため安全性に差はありません。ただし本数が多い場合は画像のアーチファクトが広がる可能性があるので、口周辺の撮影では事前にMRI担当者へ本数と位置を伝えてください。

インプラント手術の直後でもMRI検査は受けられますか?

手術直後は傷口の治癒を優先する時期のため、口周辺の撮影では慎重な判断が必要です。ただし、インプラント埋入とは無関係な部位(頭部・膝・腰など)のMRI検査であれば、チタン製インプラントが埋入直後であっても安全面での問題は基本的にありません。緊急で検査が必要な場合は、歯科医師とMRI担当医の両方に状況を伝えたうえで判断を仰いでください。

MRI検査を断られた場合はどうすればよいですか?

まず、断られた理由を施設に確認してください。インプラントの素材が不明なのか、磁石式の入れ歯が原因なのか、上部構造の金属が問題なのかによって、対処が変わります。素材が理由であれば、治療を受けた歯科医院でチタン製・磁石不使用であることを証明する文書を発行してもらい、施設に提出すれば受けられることがほとんどです。

それでも難しい場合は、インプラント患者の検査実績がある医療機関(大学病院など)に相談する、検査を指示した主治医にCTなどの代替検査が使えないか相談する、といった方法もあります。「断られた=検査できない」と諦めず、理由に応じて対処すれば受けられるケースが大半です。

まとめ

まとめ

主流のチタン製インプラントなら、MRIもCTも安全に受けられます。注意が必要なのは、磁石式の入れ歯を使っている場合や、歯科以外の医療用インプラントが体内にある場合です。検査をスムーズに受けるコツは、自分のインプラントの素材と固定方式を把握し、検査前に担当医へ伝えておくことです。

ご自身のインプラントの素材がわからないままだと、検査前に不安が残ります。辻岡歯科医院では、国内で承認されたストローマン社のチタン製インプラントを使用しています。MRIを控えていて不安な方や、インプラントと検査について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

この記事の監修者

辻岡歯科医院

院長 辻岡敬志

地域に根差して40年の辻岡歯科医院では、皆様がご自身の歯でいつまでも楽しく食事ができ、すてきな笑顔で日々を送れるようサポートしています。インプラントをはじめ幅広い治療が可能なので、お口のお悩みはどのようなことでもご相談ください。一人ひとりに寄り添い、適切な治療計画をご提案し、人生のQOL(生活の質)の向上に貢献します。

■ 経歴

  • 1979年:城西歯科大学 卒業
  • 1979年:和歌山県立医科大学歯科口腔外科 入局
  • 1982年:辻岡歯科医院 開院

【インプラント治療に関する重要事項】

インプラント治療は公的医療保険が適用されない自由診療です。

  • 治療内容:顎の骨にチタン製の人工歯根(インプラント体)を埋入し、その上に人工の歯を装着する治療
  • 治療期間・回数:一般的に3〜10ヶ月程度。埋入手術・アバットメント装着・上部構造装着の3段階で進行(個人差あり)
  • 費用の目安:1本あたり30万〜50万円程度。骨造成が必要な場合は追加費用が発生します。詳しくはクリニックへお問い合わせください
  • リスク・副作用:術後の腫れ・出血・痛み・しびれ、インプラント周囲炎、上部構造の破損など

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